京都の世界遺産|平等院
古都京都の文化財は、京都市、宇治市、滋賀県大津市にある社寺、
城の総称で、現在は17件が世界文化遺産として登録されています。
平等院
京都府宇治市宇治蓮華116
当時の権力者、関白藤原道長が左大臣源重信の婦人から譲り受けた別業をその子頼通が、
永承7年(1052)にこれを仏寺に改め、平等院としました。
翌天喜元年(1053年)、阿弥陀堂(現・鳳凰堂)が建立されました。
堂内には、平安時代の最高の仏師・定朝の手による阿弥陀如来坐像が安置されています。
壁扉画、梵鐘(日本三名鐘の一つ)と共に国宝です。
浄土空間を現出したという庭園は、史跡及び名勝にも指定されており、
近年発掘調査に基づく整備が行われました。
平安時代後期は、「末法思想」の信仰が流行しました。
釈尊が亡くなり2千年目以降、仏法が廃れて災いが続き世の中が乱れるという考えです。
平等院が創建された年は、まさに「末法」の元年に当たります。
当時の貴族は、極楽往生を願って平等院以外に大規模な寺院を盛んに造営しましたが、
これらの大伽藍も今は残っていません。
平安時代の貴族が建立した寺院が、建物・仏像・壁画・庭園も含めて残存するという点で、
平等院は貴重な存在となっています。
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